KM理論に基づく事故削減の取組~大分県警のケース~
現在、九州各地で弊社取締役松永勝也の提唱する「KM理論」に基づく事故削減の
取組が行なわれています。その中で今回は大分県警で行われている取組について、
新聞記事とその後の結果を基にご紹介します。
毎日新聞記事より
3秒ルール 追突防ぐ
車間距離は「メートル」ではなく「秒」で確認――。九州大の松永勝也名誉教授
(74)=安全科学が提唱する「車間距離3秒」ルールを採用する動きが広がって
いる。「危ない」と気付くまでに約1.5秒、ブレーキを踏んで停車するまでを
約1.3秒と想定し、誤差も考慮し3秒分、前の車両との距離をとるというもの。
追突事故の多さに悩む県警は今年度から交通安全運動のチラシに採用。佐賀県警も
普及に乗り出している。
(平成27年9月25日 毎日新聞大分版・朝刊より)
この記事は下記のURLよりPDFファイルとしてダウンロードいただけます。
http://www.anzenkyouiku.jp/assets/pdf/20160311.pdf
大分県警の取組の結果について~1.事故の死傷者数の変化~
「3秒ルール」採用後の死傷者を前年と比較すると
右図のグラフのようになりました。
キャンペーン開始当初(平成27年6月~7月)は、死傷者数は減ったり戻ったり
であったのが、8月以降は、順調に減り続け、12月末時点では、追突による
死傷者が約47%減少しています。12月以降は2月末時点まで、死者は発生
しておらず、追突による事故は75.5%減少し、負傷者は69%減少したとの
ことです。
大分県警の取組の結果について~2.車間時間~
「3秒ルール」採用前後の車間距離の計測結果を比較すると、右図の表のように なりました。この結果について、松永は以下のように考察しています。 車間距離の計測では、キャンペーンにより車間時間2秒までの台数がわずかながら 少なくなっています。このことから、車間時間の短い車両が少なくなったことと、 キャンペーンによる運転者の緊張感(ホーソン効果)が事故を減らしていると解釈 できます。車間時間3秒よりも長い車両数はまだ多いとはいえない状況なので、 安全車間時間(約3秒~4秒以上)をより多くの人が保持するような対策を継続して ゆかないと、ホーソン効果がみられなくなった場合には事故率は再び増加すると予測 されます。
弊社での取組~車間時間4秒~
弊社では、研修を受講された皆様に「車間時間4秒」の確保をお勧めしています。
これは、大分県警等で採用されている「車間距離3秒」に更に人の反応時間の
突発的な遅れを考慮して「1秒」の余裕を持たせることで、より安全な運転を行って
頂くためです。